北海道道徳教育フォーラムへの参加呼びかけ

                                                                                                           谷   光(名寄市立大学非常勤講師)

                                                          塚本智宏(東海大札幌キャンパス)     

                                                                        原田 勇(北海道教育大学札幌校非常勤講師)

                                                                           柳 憲一(北海道教育大学札幌校非常勤講師)

 私たちは、大学で教職課程を学ぶ学生と道徳教育について共に学び、考えてきました。その中で、感じていることは道徳教育についての考え方は実に多様だということです。しかし、ここ数年、道徳教育の強化がうたわれ、「道徳」の教科化が進められようとしている今、道徳教育について改めて考えなくてはならない状況に置かれているということは様々な立場の違いを越えて一致できるのではないかと思います。


 先頃、中教審は「道徳に関わる教育課程の改善等について(答申)」を発表しました。この答申は、学校教育法施行規則及び学習指導要領において、道徳の時間を「特別の教科 道徳」(仮称)として位置づけ、検定教科書を導入し、様々な方法で収集された資料から、子どもの道徳性を総合的に評価することなどを内容とするものです。私たちは次のような心配をしています。

① 教科内容の拘束力を生み出し、現在にもまして道徳教育への国家統制を強めることにならないか。

② 検定教科書導入により、検定制度を通した国家推奨の特定の道徳的価値が明示され、強制されない

   か。

③  「特別の教科 道徳」を担当する教師の創意工夫の意欲を萎えさせ、教師に徳目と規範の押しつけ技

   術を競わることにならないか。

④ 子どもの道徳性を評価することは、学習指導要領の目標や価値と異なる価値観を持つ子どもを排除・

   抑圧することにならないか。 

 私たちは、「道徳」の教科化を目前にした今、だれでも参加できる「子どものための道徳教育」を学び合い・交流する場をつくろうと考えました。下記のような具体的活動を構想しています。(参加者のみなさんのご意見をお寄せ下さい)

○ 本フォーラムは、特定の教育観・教育理論を前提にしない

○ 学校教育での「道徳教育」のあり方、様々な教育活動と「道徳教育」と関連した実践、 「道徳の時間」の

   授業づくりの学び合いと実践交流を進める

○ 夏・冬の年2回、公開フォーラムを開催する
○ ホームページ上に、会員の研究・実践の公開・交流の場をつくる
○ 連絡・会報(紙・誌)などは、PDF配信として経費をかけない
○ その他、参加者の意見を集約しながら研究・交流活動を充実させていく