(2015/02/14) 

「第1回 北海道 道徳教育フォーラム」を開催しました


○呼びかけ人を代表して、原田勇さんが挨拶しました。











【第1部】「今、学校現場で道徳教育はどうなっている?」

………と題して、谷光さん(呼びかけ人)が司会をして、交流しました。

















【第2部】「報告と交流」

と題して、報告物をもって参加された方々に発表していただき、それぞれ短時間になってしまいましたが交流しました。


○若狭さん(小学校教諭)


○國保さん(小学校養護教諭)


○太田さん(小学校教諭)


○齋藤さん(小学校教諭)


○小菅さん(中学校教諭)


○平川さん(小学校教諭)……文書……

 

 交流の最後に、呼びかけ人の塚本さんが、交流の内容について振り返りの話をしました。


【設立総会】

 終了寸前になりましたが、設立総会と銘打って、次のことを決めました。

①次の総会までの運営委員は、呼びかけ人があたる

 こと

 運営委員長 谷  光 さん

   副委員長 塚本智宏さん

  事務局   柳  憲一さん

         〃    原田 勇 さん 

②札幌だけでなく、全道各地で、「北海道 道徳教育フ

 ォーラムin○○○」をひらいている働きかけをすること

③メールリンクをつくっていくこと



【感想】第1回北海道道徳教育フォーラムに参加して

〈参加者の若狭さんから〉

 札幌で行われた「第一回北海道道徳教育フォーラム」に参加してきました。道徳の教科化が検討されているこの時期の開催ということもあり、天候の悪い中でしたが、全道各地からたくさんの先生方、教員OBの方、保護者の方などが参加していました。(会場が狭かったので、部屋に入りきらないほどの人数でした。)

 前半は、各地でどのように道徳教育が行われているか、学校の様子を交流しました。「道徳推進教師」を中心に年間指導計画を作成している途中であるという学校や、参観日に年一回は道徳の授業をするように、全校で統一しているという学校もありましたが、週一時間設定されている道徳の時間を、特別活動や総合の時間の一部として活用したり、テレビを見る時間としている学校が多いという印象を受けました。

 後半は、六本のレポート交流し、実践交流を行いました。「人権」や「命・生きる」というテーマを設定 して計画的に実践したというレポートや、研修として「道徳」を研究し、学校独自の指導計画を、先生方の実践を集めて作ったという学校の報告があり、目の前にいる子どもたちに必要な「道徳教育」を、文科省が言っていることにとらわれずに実践し、実践を集めて学校の「道徳教育」を作り上げている学校の実践に触れ、自分の実践のお粗末さを実感しました。

 「どうせやらなければならないならば、子どもたちのためになる取り組みにしよう」という、強さを持って実践している話を聞き、さすがだな、と感心するばかりでした。そして、自分もしっかりとした実践を積み上げていかなければならないという思いを新たにしました。そのためにも、「道徳教育」についてしっかり学習し、どんな実践が、子どもたちのためになるのかを考えて行かなくてはならないと思いました。


〈参加者の星さんから〉

「道徳フォーラム」に参加しました。全道各地から30名以上の参加者だったようです。(和室に入りきれず、扉をはずして廊下まで)
 職場の状況、その中で自分がやっていること、などを交流した後、後半は、何人かの方々の実践発表でした。
「道徳が教科化されたら大変!」「評価はどうするの?」といった声は職場でもありますが、もう一歩深めて、教科化の意図や問題点を具体的に把握し、それを乗り越える実践を構想しなければならない、と感じました。
 また、何人かの方が発言されていましたが、「道徳の時間だけではなく、教科の学習をいかに豊かにするか」ということも考えていかなければならないことです。平取の養護教諭が発行している「ほけんだより」が、このまま授業の資料に使えそうなものばかりで興味深かったです。

〈呼びかけ人の谷光さんから〉

保護者から「個人個人を尊重して。憲法で守られているものを大事にする道徳を」と
 14日は私たちの予想を超えて全道各地から40名近くの参加があり、狭い会場がいっぱいでご迷惑をおかけしました。関心の高さでもあり、それは、同時に教育の置かれている“危機感”を反映したものだと思いました。
 先ずは、現状を把握するために①道徳をめぐる職場の状況 ②その中でどのように取り組んでいるか ③危惧していること、検討すべき視点、について交流し、活発な発言がありました。
 全体としては、北海道は、まだ締め付けがそう強くなっているわけではない。しかし、じわじわと今、進められようとしている方向での「道徳教育」をやらなければならないような体制になってきている。
 年に一回は参観日に道徳の授業を公開しなくてはならない、またはそうした雰囲気がつくられてきている。管理職から「『私たちの道徳』を持ち帰らせて親が記入する欄に書いてもらってください」と指示があった。「私たちの道徳を位置づけた計画をつくるように」と今年度を最後に閉校する学校にも要求されているという報告がありました。
 その他、道徳教育を研究テーマとして取り上げ、取り上げるテーマも自分たちで考えて取り組んでいる、自治能力の向上というテーマのもとで道徳の時間とも関連させて学校全体で取り組んでいると攻勢的に取り組んでいるという中学校の報告もありました。
 交流の中で、若い教師から「大学でも職場でも道徳とは何かについて学んだことがない」という意見、教育大で学ぶ学生からは、「道徳の授業の記憶がない」「数値でも文でも評価されると思ったら、世渡り上手にふるまう子どもをそだてることに」「15回の『道徳の指導法』の講義で道徳を教える教師を育てられるのか」「制限あれるのも困るけど、枠組みをされると一方で頼るかも」、保護者からは「子どもの内心の自由が守られるのか」「上っ面の問題のいい子、社会的にも都合のいい子を育てることに」「個人個人を尊重してほしい。それが道徳だ」「今の憲法で守られているものを大事にしてほしい」などの意見も。

教師からは「道徳の授業をちゃんとやりたい」と
 その後、レポートを書いてきてくださった方に報告してもらい交流を深めました。
いくつか印象的だったことから報告します。
・恥ずかしながら道徳の授業について確固たる信念がない。でも、ちゃんとやらなければと思う。
・道徳の授業をちゃんとやらなければ、やりたいと思うこともある
という率直な意見がありました。前半の交流で出された「大学でも現場でも道徳について教えてもらったことも、学んだこともない」という意見と合わせて、締め付けが比較的緩かった、また、教組運動の影響下で「反対、抵抗」という雰囲気の中で過ごしてきた、それでも何とかなった現場の教師の戸惑いがあるのではないかと思いました。
 でも、「ちゃんとやらなければ」という声のように、これからはそうはいかないだろうという危機感からちゃんと学ばなくてはと参加したみなさんの思いを強く感じました。
 では、「ちゃんとやる」というのは、どういうことか。何を、どう実践するかが今後の課題として明らかになったと思います。その点についても示唆に富む提起がありました。
 中学校の橋本さんの次のような提起は、憲法・子どもの権利条約に依拠する私たちが実践を構築するうえで大切な視点だと思います。
 子どもに対して今必要なこと
 ・ 意見表明権を自覚し、自分の思いや考えを表明する
 ・ 社会の様々なできごとを、思春期特有の感性で批判する目を覚醒させる
 ・ 自分達の社会をどのように構想するか?
   学級で起きてくる問題を話し合う土壌をどうつくるか
   マイノリティーをどう認識していくか
 ・ 身近な出来事ではなく、社会の出来事に対して意見表明することによって他者の認識も深ま
  それは、子どもたちを安心して生活し、学ぶことのできる学級・学校をつくる主体として敬意をもって位置づける教師の姿勢こそ求められているのではないかと思います。
 また、何を学び、何を教えるべきかについても、教えてはいけないことは何かを見極めることが大切ではないかという指摘がありました。 

 呼びかけ人の一人である塚本智宏さんは
 ・ 子どもの現実から出発すること、   
 ・ 道徳のテーマになりうる素材は、山ほどある(現実の事件や出来事)
 ・ ひとつくらいはしっかり提示できる道徳に関する授業実践をもっておく
 ・ 学年や職場でカリキュラムの工夫・計画の合意を
 ・ 本来の道徳を文科省道徳の枠の中に押し込めてはならない
と話していました。

 ピンチはチャンスでも
「東京の公立小学校で6年の男子が卒業文集に『将来、国会議員になって、戦争したり武器を輸出したりしない平和な国をつくりたい』と書こうとしたら、「政治批判を内容に含み卒業文集には載せられない』として書き直しを命じられた」ということがフェスブックを通して広がっています。こうした子どもの意見表明、教育の自由を乱暴に踏みにじる動きが強まっています。そして、こうした上からの動きに合わせて先生方による自己規制の動きが強まることも懸念されます。
 ピンチはチャンスです。管理職も、道徳教育に熱心に取り組んでいる教師とも対話できるチャンスです。職場で、教室で豊かな実践をつくり出し、交流することが大切だと思ったフォーラムでした。      

「第1回 北海道 道徳教育フォーラム」のご案内


【日          時】 2015年2月14日(土)午後1時~5時

【場          所】 札幌エルプラザ 3F 和室2

【おもな内容】

               ① 「北海道 道徳教育フォーラム」設立総会

               ② “道徳教育をめぐる動向”を語り合いましょう

               ③ 道徳教育・道徳の時間の実践を交流し、学び合いましょう


【発表者など】 ただいま交渉中。自薦・他薦大歓迎 


案内チラシができました。ご活用下さい。

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2月14日(土)第1回北海道道徳教育フォーラムのご案内
「北海道 道徳教育フォーラム」(仮称)チラシ.pdf
PDFファイル 3.4 MB

(表)

(裏)